さびしい男
ふとんに入ると途端に寂しくなるのはなぜだろう。ふとんの外では寂しさとは無縁、孤独を愛する男なのに、なぜだかふとんに入ったら、寂しさでぎゅっと縮こまってしまう。となりにだれか寝ていて欲しい、そのだれかを抱きしめたい、いやどちらかといえば抱きつきたい、そしてあなたも抱きしめてほしい。とかまあそういう気持ちで肋骨の内側の空間を掻き乱しながら、無理矢理目をつむって、寂しさをうめるための空想をめぐらせ、いつのまに眠りについたり余計に虚しくなったりする。そういう夜を四半世紀続けてきたんだよ俺は。
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