2017年8月8日火曜日

八月のあなたをぜんぶ教えてよ わたしの水着想像してよ

八月夏日


吉祥寺で花を買って、墓参りに行って、帰りのバスを間違えて、なんか微妙によく知らないところに来てしまって、とはいえ家まで歩けそうだったから、夏の道を、ぼうぼう歩いた。アスファルトに反射する日差し、熱、を、東京の夏のにおいだと思っておもいきり吸い込んで、あ、いま私は心底安堵している、と思った。白線がすうっと伸びている、電線がしなやかに空を走る、この調子よく整った住宅街は、閑静、と謳われている。わたしの足音は近くに、都会の喧騒はごうごうとその果てに、全部を混ぜようとする蝉の声、が、まとめてぜんぶきこえる。しずかで、安らかだ。民家の庭にさるすべりのピンク。道端には立葵。高い塀からはみだしたひまわり。ありがとう、自然と土のにおいを嗅ぎ分けちゃうな。じっとりとしたなまあたたかい風が肌に絡んで、ああいますぐブラジャーとりたいし、じぶんのからだごと夏に溶け込んで、びしゃびしゃになって、すがたかたち を失いそう。だれかのことをかんがえる。わたしはけだるい海になる。アイスクリームありがとう。どうしてこんなにすばらしい。他には帰る場所ないし、東京の夏がだいすきだよ。


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