2014年10月23日木曜日

天使たち

山手線に揺られているとそこへ幼い女の子ふたりとその母親らしき女性が乗ってきた。女の子たちは双子であるらしく瓜二つ、服もお揃いのものを着用しており同じ背丈で足並みもそろっていた。そのうちのひとりがわたしの隣の席にちょこんと座る。こちらは妹さんであるらしくお姉さんの方は母親に肩を抱かれながら鏡のようにして目の前にいる妹さんと理由もなく笑い合うのだった。
わたしは席を立ちお姉さんの方に席を譲った。彼女は幼いしなによりこのそっくりのふたりはなかよく並んで座っていたほうが景観がよろしいからだ。

彼女は「おねえさんありがとう」と言ってわたしのいた席にちょこんと座った。わたしはふたりの母親とならんでふたりの前に立っていた。瓜二つのふたりは常に同じリズムで母親とわたしを交互に見てはとても嬉しそうに「ふふふ、うふふふ」と笑うのだった。わたしはあたたかい気持ちでいっぱいになりその電車を降りたあとに乗り換えた井の頭線の車内でおおよそ1時間ほど眠った。

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