2017年8月4日金曜日

八月鳥日


外の掃き掃除をしていて、道のまんなかにへばりついてどうしてもとれない白っぽい何か、があった。箒しかなかったので頑張って掃きとろうとしたのだけれどだめで、すごい雨が降ってきたのであきらめた。雨が上がり外に出るとびしょびしょに濡れたそれの輪郭がさっきより微妙にはっきりしていた。よく見るとそれは死んだ鳥のようだった。雀かなにか。私は声も出せなかった。車通りは少ない道だがきっと轢かれてしまったのだろう。どうして、という言葉が身体の中で次第に増殖してどこかから溢れ出す寸前だった。もはや何のどうして、かもわからないし、悲しいのとも恐怖とも違う、強いていうなら悔しかった。しばらく身体が動かなくて、ずっと見ていた。そのあとのことはよく覚えていない。なんとか道から剥がしてどっかに埋めた気がする。それが三年前の夏のこと。グーグルフォトを見ていたら、三年前の今日のできごと、ということでその写真が出てきた。写真に撮った記憶はあんまりないんだけど、改めて写真で見るとやっぱり鳥の形だった。君は鳥、と声に出してその写真は消した。葬い。

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